仮定法過去というのは、心理的な距離を表す用法。「ありえない!」とか「現実離れしてる!」といった状況を表すときは、どんどん仮定法を使っていきましょう。
教科書的に言うと、現在の事実に反する事柄や、起こる可能性がほとんどない現在または未来の事柄を想像していう時に使う表現。文の形としては過去形が使われるため、仮定法過去と呼ばれる。
目次
簡単に言うと
ありえない!という状況は、その「ありえない話をしているんだよ!空想の話をしているんだよ!」ということを相手に伝えるために、現実からの距離をとったカタチを使う。それが動詞の過去形で表されるているんです。別に過去の話をしているわけじゃなかったんですね!
仮定法過去は、現在または未来の「ありえない!」話
If I had enough money, / I would buy a new car.
(もし私が持ってたら 十分なお金を / 買うよ、新しい車を)
どっちも現実離れした、空想の話をしている。だから現実から距離をとっていることを示すために過去形のかたちを使っている。
「お金を持ってたら」という話し手がhaveじゃなくてhadを使ってるのを見ると、この話し手は、お金を持っていることが「現実離れ」をしているように感じているんだな。と知ることができる。「十分お金があるなんて、ありえない!」という感じだ。
このように仮定法過去は、起こる可能性がほとんどないような現在、もしくは未来についての話し手の仮定を表す。動詞が過去形なのは心理的な距離を表しているからなだけで、表している内容は現在または未来のことだ。
もしお金を持っていることが、現実的だと考えていて、起こりそうな範囲の「もし」なら、次のようにif-節の動詞に現在形を使う。
if I have enough money, / I will buy a new car.
(もし私がもってたら 十分なお金を / 私は買う 新しい車を)
仮定法過去のカタチ
現実離れをしているときや、心理的に距離があるときには、以下のように仮定法過去の形を作ろう。
「If+S+Vの過去, S+would/could/should/might+動詞の原形」
If I had enough money, I would buy a new car.
(もし私がもってたら 十分なお金を / 私は買う 新しい車を)
よく使う形で、大事なのは、be動詞ではwereを使うところだ。学校で、If I were a bird,という文を練習したこともあるだろう。仮定法過去では、主語がIだったり、Youだったりといった人称、また数に関わらず、be動詞はwereを使う。ただし、口語では1人称と3人称単数の場合にwasも使われる。
If I were you, / I wouldn’t give her the present.
(もし私があなただったら、/ 私はあげないだろう 彼女に そのプレゼントを)
If I were youを使うことで、「私があなただったら…」という日本語でもよく使うアドバイス表現になる。この場合も、「私があなたなことはありえないけど」という「現実離れ」感が出ているのがわかると思う。この場合、通常はwereを使って、wasは使わない。
丁寧な表現
仮定法過去は、「現実離れ」感を伝えることができるので、「できないとは思うけども、もしできたら…」といった、控えめで丁寧なお願いの表現に使うことができる。
I would be happy / if you called me / later.
(わたしは嬉しいです / もし あなたが 電話してくれたら / あとで)
Will youよりもWould youのほうが丁寧。I want to よりもI would like toのほうが丁寧というのを聞いたことがないだろうか。それらは、wouldとかcouldとかの「現実離れ」した、「できないとは重々承知だが、もしできたら…」という遠慮からきているのだ。英語にもこういった丁寧に言う、敬語に近い言い方もある。相手に無理なお願いなどをするときや、丁寧にお願いしたい時は、「現実離れ」を意識して、仮定法のwouldやcouldを積極的に使っていこう。
I wishの仮定法
I wish +S+V過去形…「…だといいのに」
流れ星を見た時、あなたは何をお願いするだろうか?現在の状況で実現できていない願望を表したい時、やはり現実とのギャップを伝えたい時は仮定法過去が便利だ。「お金があったらいいなあ」、「彼氏がいたらなあ」「うちの母ちゃん、もっと優しければなあ」、「大学に受かったらなあ」などなど現実とのギャップを感じる時はたくさんあるはずだ。そんなときは、I wish +仮定法を使おう。
(こうだといいな / 話せたらいいな / 彼女と)
(こうだといいな / いたらいいな / 彼氏が)
(こうだといいな / お母さんが 優しければいいな)
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